タスクシュート試行錯誤録-導入したあと、この辺でつまづいた-
この記事は「Designer’s Cafe」より転載しています。
以前、「タスクシュート購入前夜」ということで、何を考えてタスクシュートを買ったのかをまとめました。
ただ、そのあとすぐに使いこなせたわけではなく、しばらくは試行錯誤の繰り返し。
今回は、どのへんでつまづいたのか、どうやって解決したのかを少しまとめてみたいと思います。
タスクシュートで一日を「計画」した
まず、最初にやったのがこれです。
タスクシュートで、「こんな一日を送ろう」という計画を立てました。
朝一で計画を立てたはいいものの、午前中で崩壊しましたね。原因はさまざまです。
思ったよりも時間がとられるタスクがあった。やる気が起こらない。割り込んでくるタスクに対処していたら、計画どころではなくなった。
もう、ぜんっぜんダメ。
何日かこういう日を繰り返して、「何かがおかしい」と思い始めました。
そうして先人たちのブログ記事を読みあさったら、「タスクシュートを始めたばかりのときには、記録を取ることに集中したほうがいい」と複数の人が書いていました。
タスクシュートが他のツールと違う点の一つは、「記録から計画を作る」というところなんですが、それを理解していませんでした。
記録から作るということは、つまり「自分がやったこと」から計画を作るということ。このおかげで、無理なく実行しやすい計画が自然に組み上がっていくんですね。
ただ、記録をとる時点では「一日がグッと効率化した」という印象はあまりないかもしれません。やっていることをひたすらタスクシュートにメモしている、という感じでした。
このとき、単にメモするだけではなくて「これは明日もやる」「これは来週もやる」というタスクがあれば、こつこつとリピート設定していきます。
そうすると、だんだんと「全部自分で記録を入れないといけない」という状態から、「すでにだいたいのタスクは登録されていて、イレギュラーのタスクだけ入れる」という状態へと変わっていきます。
ここまで来ると、タスクシュートの効果を実感することができると思います。
「正確な記録」を求めた
記録を取ることに集中するようになると、次はこんなストレスを感じるようになりました。
「記録がきっちり取れない」
ほとんどの人がそうだと思いますが、すべてのタスクの始まりと終わりをリアルタイムで記録できることは稀でしょう。
デスクの前にいて記録できることもあれば、そうでないこともある。
最初は、正確に記録をつけたいと思っていたので、イライラしました。
「あー! また記録つけ忘れた!」って何回言ったことか。
精神衛生上、とても良くない生活をしていたと思いますが(笑)、しばらく記録をつけているうちに、「あきらめた」というか、どんなラフな記録でも記憶に頼るよりはマシだし、そもそも時間の記録をとっている人なんて身の回りに全然いないんだから、やってるだけ偉いじゃないか、自分!と開き直りました。
「多少、記録が荒くなる」ことよりも、「記録がストレスになってしまって止めてしまう」ほうが残念なことですからね。
記録を見るのがストレス
また、これはタスクシュートのせいではなく、自分の考え方の問題ですが、「記録を見るほど、自分が嫌になる」という経験もしました。
もっとやれると自分では思っているのに、記録を見たら、「休憩」が58分とか、「何をやったのかよくわからない時間」が113分とかなっているわけですよ。
「あーーーーー」という感じでした。「怠けてるよなー」という自己嫌悪のような気持ち。
例えて言えば、自分の声を録音したやつをはじめて聞いて、「こんなに変な声なのか!?」と妙にがっくり来る、あの感じに似ているかもしれません(笑)
それまでは全然意識することがなかったので、自己嫌悪にも陥らなかったんですが、「記録という鏡」に自分が写ってしまったがために、「時間を有効活用できていない自分」と真正面と向き合うことになって、「もーやだ」となったんですね。
ただ、はじめて聞いた自分の声にがっくり来ても、慣れて受け入れてしまったら何でもなくなるのと同じで、しばらく記録をとり続けているうちに「今の自分のありのまま」を受け入れられるようになりました。
ありのままを受け入れられるようになると、そこから改善が始まるんですけどね。
タスクの「サイズ感」が分からなかった
また、記録を取るときに、どの程度のサイズでログを残したらいいのかよく分かりませんでした。
タスクの粒度という言い方もしたりしますが、「プレゼン資料を作る:60分」というタスクは、かなり荒い、大雑把なくくりです。それを砕いていくと、「プレゼン資料の資料を集める:20分」「1ページ目を作る:10分」「2ページ目を作る:10分」といったように分解できるわけですが、これをどの程度まで細かくすべきなのか。
大雑把すぎると振り返るときに役に立ちにくいし、細かすぎると記録の負担が大きくなります。
結局は、「自分が取り組みやすいサイズが一番いい」ということになると思うんですが、私の場合には、最長20分で設定しています(家族と過ごす、とかそういうのは除きますが)
「20分までのタスクなら先送りしにくい」ということが、ログを取るなかで分かってきたんです。
これは、最初は見当がつかなくても、記録を取っているうちに自然と見えてくると思います。見当がつかなければ、15分~20分を最長の単位と考えて一度分解してみてはいかがでしょう。それで違和感があれば、あとで修正していけばいいだけですから。
さて、今回は、タスクシュートの使い方について、自分がはじめの頃、つまづいたポイントをまとめてみました。
ツールを使うときには、「自分のスタイルを確立するのが一番大事」だと思います。
じゃあ、自分のスタイルを確立するにはどうすればいいか、といえば、「定番と言われているやり方を真似してみて、上手くいく部分、いかない部分を発見する」ということだと思うんですね。
上手くいく部分はそのまま続ければいいし、上手くいかない部分は、自分の置かれた状況や仕事のスタイル、性格に合っていないということでしょうから、合うようにアレンジをかけていけばいい。
そのときに、「できなかったー、だめだー」と自分を責めてしまうと、記録が嫌になってしまうと思うので、単純に「合わないんだな。じゃあ、合う方法を探そう」と割り切ることが大事だと思います。
上記にあげた私の失敗と解決例が、タスクシュートの使う上でヒントになる部分があれば嬉しいです。
転載元はこちら →タスクシュート試行錯誤録-導入したあと、この辺でつまづいた-